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 D坂の殺人事件 / magicien 

D坂の殺人事件 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) 今年17冊目。江戸川乱歩さんの「D坂の殺人事件」を読んだ。

ビブリア古書堂の事件手帖4で江戸川乱歩がテーマとなっていましたが、江戸川乱歩の作品をきちんと読んだことが無かったので、読んでみました。
短編10編からなる短編集です。このうち、明智小五郎が出てくるのは本のタイトルにもなっている「D坂の殺人事件」のみ。ただ、他の短編も面白く、巻末の作者本人による書評も興味深いです。本人曰く悪評を受けた、という「石榴」と好評だったという「赤い部屋」が個人的にはおすすめです。ちなみに、作中でさらっと海外の推理小説のネタばれをしているので要注意。
2013/08/22(Thu) 22:35:24

 浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って / magicien 

浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って (講談社文庫) 今年16冊目。浜村渚シリーズの5冊目「浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って」を読んだ。

実は読んだのがひと月以上前なのですが…とりあえず記憶に残っていることを書き並べておきます。
今回のテーマは確率、展開図、級数、そして音楽。 音楽をテーマにした章は、節番号が440.00、493.883、...となっていて相変わらずの凝りようでした。 音律、リズム、コード進行等々、音楽の中に数学的要素が多いので、他の教科より話は作りやすそうと思いきや、作中の問題と音楽とはあまり関係なかったり。そして、最後は気になる展開で幕引き。
log1000章とlog10000章の間にπ章があるのは、以前某大学の入試問題でも話題になった、小学校で円周率を「3」として計算するか否かという話に対する皮肉でしょうか。

とにもかくにも、最新刊まで追い付いてしまいました。そろそろ後回しにしていた私的課題図書に取りかからねばと思いつつ、つい本屋を徘徊して他の本に手を出してしまいます。
2013/08/22(Thu) 22:30:00

 浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ ふえるま島の最終定理 / magicien 

浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ ふえるま島の最終定理 (講談社文庫) 今年15冊目。浜村渚シリーズの4冊目「浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ ふえるま島の最終定理」を読んだ。

これまでの3冊はいくつかの短編から成っていましたが、今回は1冊まるまる、ある島を舞台にした長編になっています。やはり、ミステリー、長編、となると舞台が島になるのが王道なのでしょう。登場人物たちの呼び名には、有名な数学者の名前が割り当てられており、十角館の殺人を彷彿とさせます。
今回も紙と鉛筆は必須でしょう。巻頭にある見取り図も話を理解するのに役立つはずです。本編は3章に分かれていて、前の2章が出題編、最後の1章が解答編となっています。それを考えると、章番号の付け方もなかなか粋ではないかと思います。
私は残念ながら正解まで一歩及びませんでした。苦し紛れにヒントを書いておくと、作中にあるものがたくさん出てきます。なぜ、それが複数、しかもたくさん出てくるのか、その意義を考えると最後の正解までたどり着けるのではないかと思います。
ところで、作中に数学と麻雀を掛け合わせた、数学雀(マスジャン)なるものが出てきます。プログラマーとしては、ぜひこのゲームを再現したいところですが、役の判別とAIの実装がかなり難しそう。素因数分解のテーブルをあらかじめ用意して計算量を減らせば...と考えたり。でも分数計算がありだと厳しい。気力があれば挑戦してみたいと思います。
2013/06/17(Mon) 02:58:42

 浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 / magicien 

浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 (講談社文庫) 今年14冊目。浜村渚シリーズの3冊目「浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学」を読んだ。

今作も紙と鉛筆を用意して読んだ方が良さそうです。それと、タイトルにもあるとおり、コンパスも用意しておいた方が良いかも。
log10.『クレタ島・嘘つき迷宮』では、那田(なた)中学、凱政(がいせい)高校の入試問題が出題されているので、腕に自信がある方は挑戦してみては。おそらく、実在の中学、高校ではないと思いますが、似たような名前の中学、高校があったような...
数学は得意科目のはずでしたが、幾何は苦手だったので、log1000.『「プラトン立体城」殺人事件』には苦しめられました。
作者が読者に挑戦するような作風は相変わらず。一部の問題に至っては解答を提示せず、興味があるなら調べてごらん、と言わんばかり。もちろん、メインとなる問題については、答えにたどり着くための材料は全て提示した上で、最後に丁寧な解説付きで答えを示す、ミステリーとしても、パズルとしても、数学の入門書としても通用するような作品だと思います。

2013/06/17(Mon) 02:18:17

 浜村渚の計算ノ-ト 2さつめ ふしぎの国の期末テスト / magicien 

浜村渚の計算ノ-ト 2さつめ ふしぎの国の期末テスト (講談社文庫) 今年13冊目。浜村渚シリーズの2冊目「浜村渚の計算ノ-ト 2さつめ ふしぎの国の期末テスト」を読んだ。

本屋を探しても、この2冊目がなかなか見つからず、結局2冊目〜4冊目までAmazonで購入しました。
青柳碧人という名前が50音順で先頭に来ることを狙ってかどうかは分かりませんが、書店の本棚では大抵左上に青柳さんの本が並ぶことになります。
家の近くの本屋では、棚が高く、一番上の段の本を取るためには足場に乗る必要があるのですが、私ほどに背が低く視力が悪いと、足場に乗らない状態では、もはや一番上に目当ての本があるかどうかすら分かりません。
ガラガラと足場を移動させ、立ち読み客を蹴散らした挙げ句、何も買わずに帰ったとあっては、嫌がらせ以外のなにものでも無かろう、ということで本屋で買うのは諦めました。

で、肝心の中身ですが、二作目ということでトーンダウンするかと思いきや、一作目よりも面白く、良い意味で期待を裏切られました。特に、log10000.『不思議の国のなぎさ』については、紙と鉛筆を用意した上で読むと、より楽しめるんじゃないかと思います。

2013/06/17(Mon) 02:13:51

 珈琲店タレーランの事件簿 / magicien 

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 今年12冊目。岡崎琢磨さんの「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」を読んだ。

本当は、浜村渚の計算ノートの2巻を探していたのですが、1巻と最新刊しか置いてない本屋ばかりだったので、仕方なく目についた本を買った、というのがきっかけです。
内容は、主人公が偶然立ち寄った珈琲店「タレーラン」で、バリスタをしている切間美星と出会い、様々な事件に巻き込まれる、という話。
店を切り盛りする女性が探偵役であり、その女性にも秘められた過去があり、...というのはビブリア古書堂と同じですが、珈琲店をテーマにしている割には、コーヒーにまつわる謎があまり出てこなかったような。続編を読むかどうか躊躇する物足りなさがありました。

2013/05/27(Mon) 02:05:14

 謎解きはディナーのあとで 3 / magicien 

謎解きはディナーのあとで 3 今年11冊目。東川さんの「謎解きはディナーのあとで3」を読んだ。

相変わらずのあっさり風味でした。
テンポの良さと胃もたれしない感じが人気の理由かもしれません。
今回も6話構成で、1話目が3月、2話目が4月、...というようにひと月一話になっています。
毎月殺人事件が起きるなんて国立も物騒になったものです。
そろそろマンネリ化してきたので、4巻の新展開に期待したいところ。

2013/05/06(Mon) 13:12:22

 十角館の殺人 / magicien 

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) 今年10冊目。綾辻行人さんの「十角館の殺人」を読んだ。

ミステリーというジャンルの話をするとき、必ず名前の挙がる作品ということで、読書(主にミステリー)を趣味にすることを目標としている私としては、読んでおかねばならないと思い、買ってきました。
1987年の作品ということで身構えながら読み始めましたが、とても読みやすくて拍子抜けしました。20年程度では文体は変わらないのかもしれませんが、新装改訂版ということなので、文章も読みやすく手直しが入っているのだと思います。

登場人物たちはミステリ研究会のメンバー。第一章の冒頭で、登場人物の一人がミステリ作品のあるべき姿を語る場面があり、本作がミステリの転換点と呼ばれるのもこれが所以かもしれません。
物語は7人の研究会メンバーが十角館のある孤島に行くが、そこにはある復讐者による罠が待ち受けていた、という話。明らかに「そして誰もいなくなった」のオマージュであり、作中の登場人物たちもミステリー作品を知っているため、模倣犯ということになる。プロローグで犯人が手紙入りのビンを投げるのも、それに倣ってのことでしょう。
全員が「そして誰もいなくなった」を知っている状況で、それでも次々と人が減っていくという緊迫感、トリックの素晴らしさは傑作と呼ぶにふさわしいと思いました。騙されてスカっとしたのは久しぶりでした。

綾辻さんが小野不由美さんと結婚しているという事実は今回初めて知りました。本作で犯人が明かされたときと同じくらい衝撃でした。

2013/05/06(Mon) 03:06:19

 浜村渚の計算ノート / magicien 

浜村渚の計算ノート (講談社文庫) 今年9冊目。青柳碧人さんの「浜村渚の計算ノート」を読んだ。

天才数学者のテロ活動に対抗するため、とある理由から警視庁の協力者として選ばれた中学生、浜村渚の話。
というわけで、数学をテーマにしたミステリーです。

4章に分かれているのですが、章番号がlog10、log100、...となっていたり、節番号がルートだったりと、目次から数学っぽい感じが出ています。ページ番号が何かの数列になっているんじゃないかとしばらく悩んでしまいました。logの暗黙の底がeではないのが少し不満ですが...ここでは10の方が見栄えが良いのでしょう。
本編では結構な勢いで被害者が出ているですが、なぜか悲壮感や緊迫感が無く、全体的にほんわかしています。
テロの理由がゆとり教育での数学の扱いの悪さに不満を持ったからだったり、数学と社会を結びつけてみたり、円周率の3.14より先の数字に意味を与えたり、というのは、さすが教育学部卒といったところです。

ペンギン・ハイウェイと一緒に思いつきで買った本だったのですが、なかなか面白かったので、シリーズの続きも読んでみたいと思います。

2013/05/06(Mon) 02:20:07

 ペンギン・ハイウェイ / magicien 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) 今年8冊目。森見登美彦さんの「ペンギン・ハイウェイ」を読んだ。

森見成分が不足してきたので、先週末にふらふらと本屋に行って買ってきました。
最近読書のペースが落ちているのは、家に読む本が無いのが一因だろうということで、いつか読もうと思っていた本や目についた本を買いあさって、気づけば2万円の出費になりました。

主人公は小学四年生のアオヤマ君。ある日、空き地にペンギンたちが突如として現れ、その謎を解明しようと街を探検する、という話。思いのほかファンタジーでした。
相変わらずセンスの溢れた文章で、「ぼくはいつかサバンナも探検に行くだろう。草原をかけまわる本物のシマウマを見たら、どんなものだろう。おそらく目がちらちらすると思う。」など、どうすればこんな文章が書けるようになるのか、途方に暮れるばかりです。
よくよく見ると、日本SF大賞受賞作品ということで、ファンタジーのようで実はとても科学的な描写が出てきます。

少し脱線しますが、私は大学で量子力学について少しだけ触れる機会があって、多世界解釈というものがあることを知りました。量子にはAという状態とBという状態が重ね合わさっている状態があり、その量子を観測することによってAかBどちらかの状態に収束する。その収束の瞬間、Aという観測結果を得る世界とBという観測結果を得る世界に分裂する、というもの。
その話を聞いたとき、今まで下手したら死んでた、と言われるようなことが何度かあったものの無事に生きているのは、自分が死なない世界が自動的に選択されているからではないか。このまま自分が死なない世界が選択され続けることによって、自分は永遠に生き続けることになるのではないか、とふと考えたりしたのですが、それと同じことをアオヤマ君の友達のウチダ君が言っていて、この小学生たちは何者なんだ...と思いました。

さよならドビュッシーがそうであったように、こちらもSF大賞という割にはサイエンスよりもファンタジーが主役という感じで、趣旨とは少し軸をずらしたものが大賞に選ばれる傾向があるのかもしれません。
それにしても、アオヤマ君のあまりの純粋さ、健気さに最後はじんわり来てしまいました。

2013/04/23(Tue) 02:47:05