Epic Online Services のサンプルをMacでコンパイルして動かす / magicien 

ご無沙汰しております。まさか5月にもなって2020年初、どころか令和初投稿です。
先日、Epic Games から Unreal Engine 5 の映像が公開されて話題になりましたが、個人的には、ユーザアカウント管理が無料でできる Epic Online Services の方が気になったので、Macでサンプルを動かしてみました。
以下、Macでサンプルを動かすまでの手順を書いておきます。


大まかな手順は Quick Start Guide を参照。

1. Developer Portal のユーザ登録

ユーザ登録がまだの人はまず登録から。Epic Games のユーザと共通。
ログインページ

2. SDK&サンプルのダウンロード

Developer Portal からSDKをダウンロードする。

ダウンロードしたSDKの中にサンプルコードも入っている。

3. 必要なライブラリ等のインストール

・Xcode(とコマンドラインツール):App Storeからインストール
・Homebrew:Homebrewのサイトにあるコマンドをコピペして実行
・SDL2:Homebrewでインストール。
brew install sdl2

・SDL2_ttf:Homebrewでインストール。
brew install sdl2_ttf

・GLEW:Homebrewでインストール。
brew install glew

・cmake:Homebrewでインストール。
brew install cmake


4. サンプルの一部修正(いらないかも)

自分の環境だと cmake で GLEW の読み込みがうまくいかない(GLEW_LIBRARIES 等の変数が設定されない。cmakeの仕様、というかバグだと思う)ので、サンプル内のCMakeLists.txt の内容を一部修正する。(cmake自体を直してしまってもいいかもしれない)
find_package(GLEW)
を次のようなコードに置き換える。(例えば、Samples/SimpleFramework/CMakeLists.txt の場合は76行目)
find_path(GLEW_INCLUDE_DIR GL/glew.h
    /usr/local/include
    /System/Library/Frameworks/GLEW.framework/Versions/A/Headers
    ${OPENGL_LIBRARY_DIR}
)
find_library(GLEW_LIBRARIES GLEW
    /usr/local/lib
    /usr/openwin/lib
    /usr/X11R6/lib
    /usr/local/Cellar/glew/2.1.0_1/lib
)
if (DEFINED GLEW_LIBRARIES)
    message(STATUS "GLEW found")
    set(GLEW_FOUND TRUE)
endif()
修正後のCMakeLists.txtの例。glewのパス "/usr/local/Cellar/glew/2.1.0_1/lib" のバージョンは各自の環境に合わせて変更してください。バージョン番号を埋め込んでいるのであくまで応急処理。

5. サンプルのビルド

chmod 755 ./Build.sh
でビルド用シェルに実行権限を付与。
./Build.sh
でビルド。エラーが出ずにビルドが完了すればOK。

6. アプリの設定

ここで一旦 Developer Portal に戻ってアプリの設定をする。
詳しい手順は Getting Started with Epic Account Servicesを参照。

6.1. Productの作成

アカウント作成時に「My Product xxxxx」というProductがデフォルトで出来ているようなので、それを使っても良い。新しく作る場合は、「Create Product」から。後で気づいたけど、現状、作成したProductを消す術が無いようなので無闇に作らない方が良いかもしれない。


6.2. Clientの作成

Product Settings > Client Credentials > NEW CLIENT でクライアントを作成。FEATURESはとりあえず全部付けておく。


6.3. Epic Account Servicesの設定

作ったProductのEpic Account Servicesの設定をする。

・Brand Settings:Privacy Policy URL が必須。テスト用で公開するつもりがないなら、適当に自分の持っているURLか何かで埋めれば良いと思う。自分は App Privacy Policy Generatorで自動生成したものをGistに貼り付けた。実物はここ

「SUBMIT FOR REVIEW」ボタンがあるけど、アプリの審査はまだないっぽい。

・PERMISSIONS:全部試したいので全部REQUIREDにする


・CLIENTS:6.2. で作成したClientを選ぶ


3つとも CONFIGURED になればOK。

6.4. Product情報を集める

"Product Settings" のページからサンプルの実行に必要な情報を集める。

・Product ID


・Sandbox ID


・Deployment ID:Sandboxesの DEPLOYMENTS から


・Client ID



・Client Secret:三点リーダーのメニュー内のClient Detailsから。"Copy secret key" でキーをコピーする。



7. サンプル実行用シェルの修正

・Run.sh を編集して実行時の引数を追加する。6.4. で集めたIDを引数として渡す。


chmod 755 Run.sh
で実行権限を付与。

8. サンプル実行

./Run.sh
で実行。

・ファイルの信頼性のエラーが出た場合
うろ覚えだけど、実行時に SDK/Bin/libEOSSDK-Mac-Shipping.dylib の信頼性でエラーが出た気がする(App Store以外からダウンロードしたファイルを実行しようとしたときに出るあれ)。その場合は、ライブラリを右クリック(Ctrl + クリック)して Open を選択して一度ファイルを開けばエラーが出なくなる。


・アプリ起動後、Account Portal > LOG IN を選ぶとブラウザが開いてログインページに飛ぶ。


・審査前なので、Unverified Application の警告が出るが、気にせず CONTINUE TO APP を選ぶ


・ALLOW を選ぶ


・サンプルのログインが完了し、ユーザ名が表示される。


今回はここまで。

続き:Epic Online Services のSDKをSwiftから使う

2020/05/20(Wed) 03:02:10