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浜村渚の計算ノ-ト 2さつめ ふしぎの国の期末テスト / magicien
今年13冊目。浜村渚シリーズの2冊目「浜村渚の計算ノ-ト 2さつめ ふしぎの国の期末テスト」を読んだ。本屋を探しても、この2冊目がなかなか見つからず、結局2冊目〜4冊目までAmazonで購入しました。
青柳碧人という名前が50音順で先頭に来ることを狙ってかどうかは分かりませんが、書店の本棚では大抵左上に青柳さんの本が並ぶことになります。
家の近くの本屋では、棚が高く、一番上の段の本を取るためには足場に乗る必要があるのですが、私ほどに背が低く視力が悪いと、足場に乗らない状態では、もはや一番上に目当ての本があるかどうかすら分かりません。
ガラガラと足場を移動させ、立ち読み客を蹴散らした挙げ句、何も買わずに帰ったとあっては、嫌がらせ以外のなにものでも無かろう、ということで本屋で買うのは諦めました。
で、肝心の中身ですが、二作目ということでトーンダウンするかと思いきや、一作目よりも面白く、良い意味で期待を裏切られました。特に、log10000.『不思議の国のなぎさ』については、紙と鉛筆を用意した上で読むと、より楽しめるんじゃないかと思います。
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2013/06/17(Mon) 02:13:51
珈琲店タレーランの事件簿 / magicien
今年12冊目。岡崎琢磨さんの「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」を読んだ。本当は、浜村渚の計算ノートの2巻を探していたのですが、1巻と最新刊しか置いてない本屋ばかりだったので、仕方なく目についた本を買った、というのがきっかけです。
内容は、主人公が偶然立ち寄った珈琲店「タレーラン」で、バリスタをしている切間美星と出会い、様々な事件に巻き込まれる、という話。
店を切り盛りする女性が探偵役であり、その女性にも秘められた過去があり、...というのはビブリア古書堂と同じですが、珈琲店をテーマにしている割には、コーヒーにまつわる謎があまり出てこなかったような。続編を読むかどうか躊躇する物足りなさがありました。
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2013/05/27(Mon) 02:05:14
謎解きはディナーのあとで 3 / magicien
今年11冊目。東川さんの「謎解きはディナーのあとで3」を読んだ。相変わらずのあっさり風味でした。
テンポの良さと胃もたれしない感じが人気の理由かもしれません。
今回も6話構成で、1話目が3月、2話目が4月、...というようにひと月一話になっています。
毎月殺人事件が起きるなんて国立も物騒になったものです。
そろそろマンネリ化してきたので、4巻の新展開に期待したいところ。
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2013/05/06(Mon) 13:12:22
十角館の殺人 / magicien
今年10冊目。綾辻行人さんの「十角館の殺人」を読んだ。ミステリーというジャンルの話をするとき、必ず名前の挙がる作品ということで、読書(主にミステリー)を趣味にすることを目標としている私としては、読んでおかねばならないと思い、買ってきました。
1987年の作品ということで身構えながら読み始めましたが、とても読みやすくて拍子抜けしました。20年程度では文体は変わらないのかもしれませんが、新装改訂版ということなので、文章も読みやすく手直しが入っているのだと思います。
登場人物たちはミステリ研究会のメンバー。第一章の冒頭で、登場人物の一人がミステリ作品のあるべき姿を語る場面があり、本作がミステリの転換点と呼ばれるのもこれが所以かもしれません。
物語は7人の研究会メンバーが十角館のある孤島に行くが、そこにはある復讐者による罠が待ち受けていた、という話。明らかに「そして誰もいなくなった」のオマージュであり、作中の登場人物たちもミステリー作品を知っているため、模倣犯ということになる。プロローグで犯人が手紙入りのビンを投げるのも、それに倣ってのことでしょう。
全員が「そして誰もいなくなった」を知っている状況で、それでも次々と人が減っていくという緊迫感、トリックの素晴らしさは傑作と呼ぶにふさわしいと思いました。騙されてスカっとしたのは久しぶりでした。
綾辻さんが小野不由美さんと結婚しているという事実は今回初めて知りました。本作で犯人が明かされたときと同じくらい衝撃でした。
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2013/05/06(Mon) 03:06:19
浜村渚の計算ノート / magicien
今年9冊目。青柳碧人さんの「浜村渚の計算ノート」を読んだ。天才数学者のテロ活動に対抗するため、とある理由から警視庁の協力者として選ばれた中学生、浜村渚の話。
というわけで、数学をテーマにしたミステリーです。
4章に分かれているのですが、章番号がlog10、log100、...となっていたり、節番号がルートだったりと、目次から数学っぽい感じが出ています。ページ番号が何かの数列になっているんじゃないかとしばらく悩んでしまいました。logの暗黙の底がeではないのが少し不満ですが...ここでは10の方が見栄えが良いのでしょう。
本編では結構な勢いで被害者が出ているですが、なぜか悲壮感や緊迫感が無く、全体的にほんわかしています。
テロの理由がゆとり教育での数学の扱いの悪さに不満を持ったからだったり、数学と社会を結びつけてみたり、円周率の3.14より先の数字に意味を与えたり、というのは、さすが教育学部卒といったところです。
ペンギン・ハイウェイと一緒に思いつきで買った本だったのですが、なかなか面白かったので、シリーズの続きも読んでみたいと思います。
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2013/05/06(Mon) 02:20:07
ペンギン・ハイウェイ / magicien
今年8冊目。森見登美彦さんの「ペンギン・ハイウェイ」を読んだ。森見成分が不足してきたので、先週末にふらふらと本屋に行って買ってきました。
最近読書のペースが落ちているのは、家に読む本が無いのが一因だろうということで、いつか読もうと思っていた本や目についた本を買いあさって、気づけば2万円の出費になりました。
主人公は小学四年生のアオヤマ君。ある日、空き地にペンギンたちが突如として現れ、その謎を解明しようと街を探検する、という話。思いのほかファンタジーでした。
相変わらずセンスの溢れた文章で、「ぼくはいつかサバンナも探検に行くだろう。草原をかけまわる本物のシマウマを見たら、どんなものだろう。おそらく目がちらちらすると思う。」など、どうすればこんな文章が書けるようになるのか、途方に暮れるばかりです。
よくよく見ると、日本SF大賞受賞作品ということで、ファンタジーのようで実はとても科学的な描写が出てきます。
少し脱線しますが、私は大学で量子力学について少しだけ触れる機会があって、多世界解釈というものがあることを知りました。量子にはAという状態とBという状態が重ね合わさっている状態があり、その量子を観測することによってAかBどちらかの状態に収束する。その収束の瞬間、Aという観測結果を得る世界とBという観測結果を得る世界に分裂する、というもの。
その話を聞いたとき、今まで下手したら死んでた、と言われるようなことが何度かあったものの無事に生きているのは、自分が死なない世界が自動的に選択されているからではないか。このまま自分が死なない世界が選択され続けることによって、自分は永遠に生き続けることになるのではないか、とふと考えたりしたのですが、それと同じことをアオヤマ君の友達のウチダ君が言っていて、この小学生たちは何者なんだ...と思いました。
さよならドビュッシーがそうであったように、こちらもSF大賞という割にはサイエンスよりもファンタジーが主役という感じで、趣旨とは少し軸をずらしたものが大賞に選ばれる傾向があるのかもしれません。
それにしても、アオヤマ君のあまりの純粋さ、健気さに最後はじんわり来てしまいました。
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2013/04/23(Tue) 02:47:05
さよならドビュッシー / magicien
今年7冊目。中山七里さんの「さよならドビュッシー」を読んだ。ピアニストを目指す高校生、香月遥とその周囲で次々と起きる事件の話。
「このミステリーがすごい!」で大賞を取った作品とのことですが、謎解きよりも遥が全身大火傷を負いながらも、イケメンピアニスト岬洋介との厳しい特訓を乗り越えコンクールを目指すというスポ根モノの印象。スポーツじゃないけど。
注目すべきは、ピアノを演奏しているシーンの臨場感。ピアノをやっている人なら、あぁ今何小節目だな、とか分かるのかもしれませんが、私の場合はどんな曲かすら分からず。ただ、曲の盛り上がりや迫力は伝わってきました。もしかしたら曲長と文章の長さも計算されているのかもしれませんが、知識不足で頭の中に曲が流れず、検証できませんでした。
最近、知識が無いことでいろいろと損をしている気がする...
で、音楽の描写に気を取られていると、ミステリーということをすっかり忘れてしまい、結末で度肝を抜かれてしまうわけです。
謎解きが物語の脇役という少し異色のミステリーですが、たまにはこういうのもありかと思います。
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2013/04/23(Tue) 02:46:47
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ / magicien
今年6冊目。三上延さんのビブリアシリーズ4作目を読んだ。シリーズ新刊が出たらしいという噂を聞いて、早速読んでみました。
今回は短編集というよりは、一冊まるごと江戸川乱歩をテーマにした長編でした。
栞子さんの推理力は相変わらずで、自分に本の知識が無いのが悔やまれるところです。
とはいえ、栞子さんより先回りできる程の知識があるのも危ない気はしますが。
その栞子さんを凌駕する智恵子さん(栞子さんの母親)が出てくるのが本作のみどころの一つ。
もう一つのみどころは、推理作家をテーマにしただけあって暗号が出てくること。
ただ、この暗号も本の知識が無いと解けそうにないです...無念。
実は江戸川乱歩の本はあまり読んだことが無いので、読書目標の50冊のうちの1冊は江戸川乱歩の作品を選ぼうかと思います。
あとがきに「この物語もそろそろ後半」とあったので、このシリーズは全部で8巻程になるのでしょうか。
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2013/03/03(Sun) 17:10:39
舟を編む / magicien
今年5冊目。三浦しをんさんの「舟を編む」を読んだ。2012年本屋大賞の作品。
読み始めて思ったのは、冲方丁さんの「天地明察」に似た雰囲気だなぁ、ということ。
読み進めてみると、話の展開も割と似ていました。
理系としては、算学の問題が出てくる天地明察の方がのめり込んで読んだ気がしますが、こちらも面白いです。
一つのことに打ち込んで目標を達成する、という話を読むと、自分も頑張らなきゃなぁという気分になります。
自分がやるとしたらWebGLのライブラリでしょうか。本当はサンプルを一つ増やして第10回MMD杯に出そうと考えていましたが、思うように進まず、第11回までとっておくことにしました。代わりにライブラリのドキュメント制作を進めようと思うのですが、やりたいことやらやらなきゃいけないことやらが多くて困っています。もっと頑張らないといけないですね。
というわけで、やる気を出したいときに読むと良い本だと思います。
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2013/03/02(Sat) 04:25:30
R.P.G. / magicien
今年4冊目。宮部みゆきさんの「R.P.G.」を読んだ。RPGといっても、ゲームではなく、役割を演じるという意味で使われている。
とはいえ、宮部さんはゲーマーで有名なので、当然ゲームのRPGを意識してのタイトルだと思う。
内容は、とてもさらっとしており、最後に衝撃の事実が発覚するも、さらっと流れていってしまいました。
2001年の作品で、インターネットで家族を演じる人たち、というテーマだったので、今となっては内容が少し古くなってしまったのかもしれません。
「模倣犯」と「クロスファイア」の登場人物が出ていたようなのですが、いまいち思い出せず。
読書のペースが下がり気味なので、もう少し上げていきたいところ。
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2013/03/01(Fri) 03:38:32