2013年 8月

 有頂天家族 / magicien 

有頂天家族 (幻冬舎文庫) 今年18冊目。森見登美彦さんの「有頂天家族」を読んだ。

森見さんの作品のアニメが放送されているようだ、という噂を巷で聞きつけ、本を読む前に何かの拍子にネタばれされては困ると思い、急いで読みました。
内容は、京都の狸、天狗、人間を巡るドタバタ劇。主人公は狸の名門下鴨家の三男である矢三郎。人間離れした人間と、人間より人間くさい天狗、とにかく阿呆な狸にファンタジーが加わり、本作でも見事な森見ワールドが広がっています。
夜は短し歩けよ乙女、四畳半神話大系も京都を舞台にしているため、下鴨神社や偽電気ブラン等、見覚えのある地名やら何やらがちらほら。聞いたところによると、夜は短し〜で黒髪の乙女と偽電気ブランの飲み比べをした李白さんが出ているとかいないとか。一度読んだ本をもう一度読み返してみたくなるのが、森見さんの本の恐ろしいところです。

2013/08/22(Thu) 22:40:09

 D坂の殺人事件 / magicien 

D坂の殺人事件 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) 今年17冊目。江戸川乱歩さんの「D坂の殺人事件」を読んだ。

ビブリア古書堂の事件手帖4で江戸川乱歩がテーマとなっていましたが、江戸川乱歩の作品をきちんと読んだことが無かったので、読んでみました。
短編10編からなる短編集です。このうち、明智小五郎が出てくるのは本のタイトルにもなっている「D坂の殺人事件」のみ。ただ、他の短編も面白く、巻末の作者本人による書評も興味深いです。本人曰く悪評を受けた、という「石榴」と好評だったという「赤い部屋」が個人的にはおすすめです。ちなみに、作中でさらっと海外の推理小説のネタばれをしているので要注意。
2013/08/22(Thu) 22:35:24

 浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って / magicien 

浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って (講談社文庫) 今年16冊目。浜村渚シリーズの5冊目「浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って」を読んだ。

実は読んだのがひと月以上前なのですが…とりあえず記憶に残っていることを書き並べておきます。
今回のテーマは確率、展開図、級数、そして音楽。 音楽をテーマにした章は、節番号が440.00、493.883、...となっていて相変わらずの凝りようでした。 音律、リズム、コード進行等々、音楽の中に数学的要素が多いので、他の教科より話は作りやすそうと思いきや、作中の問題と音楽とはあまり関係なかったり。そして、最後は気になる展開で幕引き。
log1000章とlog10000章の間にπ章があるのは、以前某大学の入試問題でも話題になった、小学校で円周率を「3」として計算するか否かという話に対する皮肉でしょうか。

とにもかくにも、最新刊まで追い付いてしまいました。そろそろ後回しにしていた私的課題図書に取りかからねばと思いつつ、つい本屋を徘徊して他の本に手を出してしまいます。
2013/08/22(Thu) 22:30:00