さよならドビュッシー / magicien 

さよならドビュッシー (宝島社文庫) 今年7冊目。中山七里さんの「さよならドビュッシー」を読んだ。

ピアニストを目指す高校生、香月遥とその周囲で次々と起きる事件の話。
「このミステリーがすごい!」で大賞を取った作品とのことですが、謎解きよりも遥が全身大火傷を負いながらも、イケメンピアニスト岬洋介との厳しい特訓を乗り越えコンクールを目指すというスポ根モノの印象。スポーツじゃないけど。
注目すべきは、ピアノを演奏しているシーンの臨場感。ピアノをやっている人なら、あぁ今何小節目だな、とか分かるのかもしれませんが、私の場合はどんな曲かすら分からず。ただ、曲の盛り上がりや迫力は伝わってきました。もしかしたら曲長と文章の長さも計算されているのかもしれませんが、知識不足で頭の中に曲が流れず、検証できませんでした。
最近、知識が無いことでいろいろと損をしている気がする...

で、音楽の描写に気を取られていると、ミステリーということをすっかり忘れてしまい、結末で度肝を抜かれてしまうわけです。
謎解きが物語の脇役という少し異色のミステリーですが、たまにはこういうのもありかと思います。

2013/04/23(Tue) 02:46:47