BSDライセンス解説vol.2―MITライセンス― / マルパチ 

jQueryをいじろうとしてjQueryがMITライセンスであることに気づく。だからMITライセンスについて勉強がてら解説を書いてみることにします。前回予告した「古いバージョンのGPL」に関する記事は延期です(笑)

さてMITライセンスはBSDライセンスの亜種なわけですが、どのようなライセンスなのでしょう。

まずMITライセンスの本文を読んでみる。さすがBSDライセンスの亜種なだけあって短い。とにかく短い。
短いので主要部分の翻訳が出来そうな気になってきます。そんなわけで以下はMITライセンスの翻訳です。

<著作権告知省略>
本ライセンスによって、無償で、「このソフトウェアのコピー及び付属の文書ファイル(以下「ソフトウェア」とする)」を取得した全ての者に対し、ソフトウェアを無制限で取り扱う許諾が与えられる。この許諾には使用、コピー、改変、結合、公表、配布、再実施(sublicense)、ソフトウェアのコピーの販売のいくつか又は一つに対する無制限が含まれる。そしてソフトウェアを提供された者に同じ許諾をすることも許諾される。但し以下の条件に従うこと。
上記の著作権告知及び本許諾書は全てのソフトウェアのコピー又は実質的な一部に組み込まれなければならない。
<免責条項省略>

うーん。MITライセンスはBSDライセンスとほぼ同じ法的内容を持ったライセンスのようだ。違うところは言い回しくらいか。
あまりに違いがなさ過ぎて逆に不安になったので違いを探してみた。しかし違いはないということで正しいみたいだ。GNUプロジェクトも「3条項BSDライセンス(Modified BSD lisence)とMITライセンス(X11 lisence)はおおよそ同意義である」と言っている。→リンク先ページの"Modified BSD lisence"の項を参照

そんなわけで3条項BSDライセンスとMITライセンスに法的な違いは無いということで解説を締めくくりたいと思います。…つまらない結論だなぁ。

つまらないので一つだけ補足します。
MITライセンスはGPLと2本立てで用いることができます。3条項BSDライセンスについても同様にGPLと2本立てで用いることができます。→参考リンク
このように1つのソフトウェアを2つ以上のライセンスで配布することをデュアルライセンスといいます。jQueryはGPLとMITライセンスのデュアルライセンスですね。
それでは!
2010/01/19(Tue) 19:28:02