BSDライセンス解説vol.1―BSDライセンスってなに?― / マルパチ 

さて今回はBSD(=Berkeley Software Distribution)ライセンスについて書きたいと思います。
BSDライセンスはいろいろな亜種があるのですがオーソドックスな3条項BSDライセンス/3-clause BSD license(=修正BSDライセンス/modified BSD license)を題材に書いていきますね。(リンク先の文書には4つの条項がありますが第3条が削除されたので3条項になります。)

BSDライセンスは、今まで説明してきたGPL(=General Public License)と同じく、ライセンスされたソフトウェアがフリーソフトウェアであると述べています。しかしBSDライセンスの記述はGPLの記述に比べるとずいぶんあっさりしています。
どのくらいあっさりしているのかわかりやすくするためにBSDライセンスが要求する利用・再配布・改変の条件を書き出してみたいと思います。

<著作権告知省略>
改変のあるなしにかかわらず、以下の条件を満たす限り、ソースコード形式及びバイナリ形式での利用及び再配布が許諾される。
1.ソースコードの再配布の際には、上記の著作権告知、ここに列挙された条件、そして下記の免責条項を保持しなければならない。
2.バイナリ形式での再配布の際には、上記の著作権告知、ここに列挙された条件、そして下記の免責条項をコピーした文書その他の資料と一緒に再配布しなければならない。
4.大学の名前(カリフォルニア大学バークレー校)もコントリビューターの名前も、このソフトウェアから派生する製品の推奨・販促に使ってはならない。但し書面による事前の明示的な許諾がある場合を除く。
<免責条項省略>

以上です。あれこれ要求するGPLに比べるとずいぶんあっさりしているでしょう?
しかもGPLと違い、改変されたフリーソフトウェアを再配布する際に「改変されたソフトウェアの全体に丸ごとこのライセンスを適用させること(GPLv3第5条1パラグラフc項)」が要求されていません。→前回記事の条件⑤を参照
これはどういうことかというと、改変したソフトウェアを再配布するときにソースコードを公開する必要がないということです。(つまりBSDライセンスソフトウェアはフリーソフトウェアではあるけれどもコピーレフトではないのですね。)

そんなわけで今回はあっさりとした記事にすることができました。毎回こんな感じだと読みやすくて良いのでしょうけど…。
次回は「古いバージョンのGPL」について書きたいと思います。それでは!
2010/01/16(Sat) 16:40:07