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イン・ザ・プール / magicien
久しぶりに本の感想でも。今回は奥田英朗さんのイン・ザ・プールを読んでみました。読んでみましたというか、友人と旅行中、飛行機であまりに暇だったので、友人から借りて読んだ本です。
精神科医の伊良部が主人公の短編シリーズ物で、イン・ザ・プールには5つの短編が入っています。
各編とも患者が様々な悩みを抱えて伊良部の元を訪ね、それを解決していくまでの話になっています。
どの悩みも曲者なのですが、一番の曲者が医者である伊良部、そして看護士のマユミのコンビ。
治療方法もメチャクチャで、毎回奇跡的にも快方に向かうのですが、それが伊良部の計算なのか偶然なのかが良くわかりません。
1編終わるうちに、いつか種明かしがあるんじゃないか、裏話が明かされるんじゃないか、と期待して次を読み進めるわけですが、最後の最後まで、なぜうまくいったのかがわからないまま終わってしまいました。
というのも、主人公は伊良部なのですが、物語は患者の主観で語られるので、伊良部が何を考えているのかがわからないわけです。
いずれにせよ、どの話もハッピーエンドで安心して読めました。完全な大団円で終わるのではなく、これから良いことが起こることを予感させるような、じんわり来る終わり方で、ハッピーエンド好きの僕としては、余韻まで楽しめる良作だと思います。
おすすめのハッピーエンドは、携帯依存症の高校生の話である「フレンズ」。どんな終わり方かは読んで確かめてみてください。
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この記事のURL: https://darkhorse2.0spec.jp/108/
2010/05/05(Wed) 23:11:55