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 浜村渚の計算ノート / magicien 

浜村渚の計算ノート (講談社文庫) 今年9冊目。青柳碧人さんの「浜村渚の計算ノート」を読んだ。

天才数学者のテロ活動に対抗するため、とある理由から警視庁の協力者として選ばれた中学生、浜村渚の話。
というわけで、数学をテーマにしたミステリーです。

4章に分かれているのですが、章番号がlog10、log100、...となっていたり、節番号がルートだったりと、目次から数学っぽい感じが出ています。ページ番号が何かの数列になっているんじゃないかとしばらく悩んでしまいました。logの暗黙の底がeではないのが少し不満ですが...ここでは10の方が見栄えが良いのでしょう。
本編では結構な勢いで被害者が出ているですが、なぜか悲壮感や緊迫感が無く、全体的にほんわかしています。
テロの理由がゆとり教育での数学の扱いの悪さに不満を持ったからだったり、数学と社会を結びつけてみたり、円周率の3.14より先の数字に意味を与えたり、というのは、さすが教育学部卒といったところです。

ペンギン・ハイウェイと一緒に思いつきで買った本だったのですが、なかなか面白かったので、シリーズの続きも読んでみたいと思います。

2013/05/06(Mon) 02:20:07

 ペンギン・ハイウェイ / magicien 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) 今年8冊目。森見登美彦さんの「ペンギン・ハイウェイ」を読んだ。

森見成分が不足してきたので、先週末にふらふらと本屋に行って買ってきました。
最近読書のペースが落ちているのは、家に読む本が無いのが一因だろうということで、いつか読もうと思っていた本や目についた本を買いあさって、気づけば2万円の出費になりました。

主人公は小学四年生のアオヤマ君。ある日、空き地にペンギンたちが突如として現れ、その謎を解明しようと街を探検する、という話。思いのほかファンタジーでした。
相変わらずセンスの溢れた文章で、「ぼくはいつかサバンナも探検に行くだろう。草原をかけまわる本物のシマウマを見たら、どんなものだろう。おそらく目がちらちらすると思う。」など、どうすればこんな文章が書けるようになるのか、途方に暮れるばかりです。
よくよく見ると、日本SF大賞受賞作品ということで、ファンタジーのようで実はとても科学的な描写が出てきます。

少し脱線しますが、私は大学で量子力学について少しだけ触れる機会があって、多世界解釈というものがあることを知りました。量子にはAという状態とBという状態が重ね合わさっている状態があり、その量子を観測することによってAかBどちらかの状態に収束する。その収束の瞬間、Aという観測結果を得る世界とBという観測結果を得る世界に分裂する、というもの。
その話を聞いたとき、今まで下手したら死んでた、と言われるようなことが何度かあったものの無事に生きているのは、自分が死なない世界が自動的に選択されているからではないか。このまま自分が死なない世界が選択され続けることによって、自分は永遠に生き続けることになるのではないか、とふと考えたりしたのですが、それと同じことをアオヤマ君の友達のウチダ君が言っていて、この小学生たちは何者なんだ...と思いました。

さよならドビュッシーがそうであったように、こちらもSF大賞という割にはサイエンスよりもファンタジーが主役という感じで、趣旨とは少し軸をずらしたものが大賞に選ばれる傾向があるのかもしれません。
それにしても、アオヤマ君のあまりの純粋さ、健気さに最後はじんわり来てしまいました。

2013/04/23(Tue) 02:47:05

 さよならドビュッシー / magicien 

さよならドビュッシー (宝島社文庫) 今年7冊目。中山七里さんの「さよならドビュッシー」を読んだ。

ピアニストを目指す高校生、香月遥とその周囲で次々と起きる事件の話。
「このミステリーがすごい!」で大賞を取った作品とのことですが、謎解きよりも遥が全身大火傷を負いながらも、イケメンピアニスト岬洋介との厳しい特訓を乗り越えコンクールを目指すというスポ根モノの印象。スポーツじゃないけど。
注目すべきは、ピアノを演奏しているシーンの臨場感。ピアノをやっている人なら、あぁ今何小節目だな、とか分かるのかもしれませんが、私の場合はどんな曲かすら分からず。ただ、曲の盛り上がりや迫力は伝わってきました。もしかしたら曲長と文章の長さも計算されているのかもしれませんが、知識不足で頭の中に曲が流れず、検証できませんでした。
最近、知識が無いことでいろいろと損をしている気がする...

で、音楽の描写に気を取られていると、ミステリーということをすっかり忘れてしまい、結末で度肝を抜かれてしまうわけです。
謎解きが物語の脇役という少し異色のミステリーですが、たまにはこういうのもありかと思います。

2013/04/23(Tue) 02:46:47

 ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ / magicien 

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫) 今年6冊目。三上延さんのビブリアシリーズ4作目を読んだ。

シリーズ新刊が出たらしいという噂を聞いて、早速読んでみました。
今回は短編集というよりは、一冊まるごと江戸川乱歩をテーマにした長編でした。

栞子さんの推理力は相変わらずで、自分に本の知識が無いのが悔やまれるところです。
とはいえ、栞子さんより先回りできる程の知識があるのも危ない気はしますが。
その栞子さんを凌駕する智恵子さん(栞子さんの母親)が出てくるのが本作のみどころの一つ。
もう一つのみどころは、推理作家をテーマにしただけあって暗号が出てくること。
ただ、この暗号も本の知識が無いと解けそうにないです...無念。
実は江戸川乱歩の本はあまり読んだことが無いので、読書目標の50冊のうちの1冊は江戸川乱歩の作品を選ぼうかと思います。

あとがきに「この物語もそろそろ後半」とあったので、このシリーズは全部で8巻程になるのでしょうか。

2013/03/03(Sun) 17:10:39

 舟を編む / magicien 

舟を編む 今年5冊目。三浦しをんさんの「舟を編む」を読んだ。

2012年本屋大賞の作品。
読み始めて思ったのは、冲方丁さんの「天地明察」に似た雰囲気だなぁ、ということ。
読み進めてみると、話の展開も割と似ていました。
理系としては、算学の問題が出てくる天地明察の方がのめり込んで読んだ気がしますが、こちらも面白いです。

一つのことに打ち込んで目標を達成する、という話を読むと、自分も頑張らなきゃなぁという気分になります。
自分がやるとしたらWebGLのライブラリでしょうか。本当はサンプルを一つ増やして第10回MMD杯に出そうと考えていましたが、思うように進まず、第11回までとっておくことにしました。代わりにライブラリのドキュメント制作を進めようと思うのですが、やりたいことやらやらなきゃいけないことやらが多くて困っています。もっと頑張らないといけないですね。
というわけで、やる気を出したいときに読むと良い本だと思います。

2013/03/02(Sat) 04:25:30

 R.P.G. / magicien 

R.P.G. (集英社文庫) 今年4冊目。宮部みゆきさんの「R.P.G.」を読んだ。

RPGといっても、ゲームではなく、役割を演じるという意味で使われている。
とはいえ、宮部さんはゲーマーで有名なので、当然ゲームのRPGを意識してのタイトルだと思う。
内容は、とてもさらっとしており、最後に衝撃の事実が発覚するも、さらっと流れていってしまいました。
2001年の作品で、インターネットで家族を演じる人たち、というテーマだったので、今となっては内容が少し古くなってしまったのかもしれません。
「模倣犯」と「クロスファイア」の登場人物が出ていたようなのですが、いまいち思い出せず。
読書のペースが下がり気味なので、もう少し上げていきたいところ。
2013/03/01(Fri) 03:38:32

 告白 / magicien 

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) 今年3冊目。湊かなえさんの「告白」を読んだ。

娘を亡くした教師の終業式の挨拶から始まる、救いようのない話。
各章が各登場人物の主観で語られており、それ故に情報の欠落や間違いがあり、読み進めていくうちに新たな事実が判明して...というわけでミステリーに分類されていますが、情報が後出しな上に超展開なので、推理で先を読むのは難しそうです。

空中ブランコの伊良部シリーズのように、登場人物や事件にモデルがあるような...
冒頭はFF8のアルティマニアのようだと思い、途中で一瞬ドグラ・マグラのようだと思い、最終的には収集のつかない金八先生のようだと思いました。作中にも金八先生の話が出て来たように思うので、多少なり意識しているのだと思います。

それにしても、今のペースだと目標の達成が危ういですね。毎年12月〜2月あたりは忙殺されているので、今年も2月を越えたあたりから読書のペースを上げられるのではないかと思っていますが、一冊一冊に感想を書こうとすると、本選びの段階から無駄にこだわって時間がかかってしまいます。素直に読みたいと思った本を読んだとき、一番ペースが早くなるのは分かっているのですが。

2013/02/04(Mon) 23:31:52

 凍りのくじら / magicien 

凍りのくじら (講談社文庫) 今年2冊目。辻村深月さんの「凍りのくじら」を読んだ。

冷たい校舎の時は止まると同様、近所の本屋で平積みされていました。
その本屋では辻村さん特集コーナーが数ヶ月間、しかもかなりのスペースを割いて設置されていて、相当好きな人がいるのか、相当売れているのか...それに乗ってみるのもありだと思い買ってみました。

主人公であり写真家の芹沢理帆子がF高校の2年生だったときの話。
10章それぞれにドラえもんの道具の名前が付いているのが特徴。
主人公の性格が残念すぎて読むのが辛いですが、章が細かく分かれているおかげで少しずつ読み進められます。

これまた内容について感想を書けないのが残念ですが、最後の10章で本作に対する評価が一変しました。もう一度読むリストに追加しておこうと思います。

そういえば、主人公の性格を形容する言葉に「覚めている」というのがあったけれど、漢字はこれで合っているんだろうか。作中に二回出てきて二回とも同じだったので、意図してこの漢字を使っているのだと思いますが。
国語辞典を見ても、性格が「さめている」というときに使う漢字は「覚」「醒」「冷」のどれが適切かわかりませんでした。

2013/01/26(Sat) 18:22:34

 setInterval を requestAnimationFrame へ / magicien 

今日、とあるテストを受けようと必死に勉強していたところ、テストセンターがお休みだということに気付き、がっくり。
仕方が無いので、WebGLのライブラリで使っている setInterval を requestAnimationFrame へ書き換えてみた。

実装の仕方はここを参考に。
これといった情報が無くて申し訳ないのですが、特にひっかかることなく変更できました。

が、手元のMacのSafariだと、webkitRequestAnimationFrame が無い。どうやら、Safari 6 以上じゃないと実装されていないらしい。そして、Safari 6 は、MacOS v10.7(Lion)以上しか対応していないらしい。手元のMacはv10.6(Snow Leopard)。ということで、Macでは動作確認できませんでした。

Chromeは問題無く動きました。前よりも心なしかぬるぬる動いているような気がする。FirefoxとOperaは相変わらず。

新しいMacを買うべきか、OSをバージョンアップすべきか、それが問題だ...

2013/01/14(Mon) 22:59:10

 ナミヤ雑貨店の奇蹟 / magicien 

ナミヤ雑貨店の奇蹟 2013年の一冊目。東野圭吾さんのナミヤ雑貨店の奇蹟を読んだ。


言わずと知れた理系作家の作品ということで、さぞ複雑なトリックを使う知能犯が登場するのだろうと思いきや、頼り無さそうな3人組の強盗犯が逃げる場面から物語が始まります。
その逃亡犯が一晩の潜伏先に選んだのが、廃屋となっていたナミヤ雑貨店。そこで3人は不思議な出来事に遭遇して...という話。

例によってネタばれしそうなので内容は書けませんが、いくつかの時間軸と何人かの登場人物が出て来て、時間軸×登場人物の数だけシーンが合って、それが割とバラバラに出て来るので、一気に読まないと分からなくなりそうです。
ミステリーではなくファンタジーに近いですが、終盤で次々と伏線が回収されていくのは、さすがミステリー作家という感じです。

話の内容は全く違いますが、「時間軸×登場人物」という形式の物語として、99人の最終電車というハイパーテキスト小説なるものを以前(一部を)読みました。
1996年というウェブの黎明期とも呼べるような時代から連載が開始されていて、初めて読んだときは、こんな小説があるのかと衝撃を受けた記憶があります。既に完結していますが、今でもウェブ上で公開されているので、読んだことが無い人は、一人分の物語だけでも読んでみてもらえればと思います。
「99人の最終電車」のような形式の作品に興味を持つきっかけになったのは別の作品(ゲーム?)なのですが...まだ公開されているのかどうか。もし見つけたら紹介したいと思います。
WebGLとかARとかがもっと広まれば、体験型推理小説みたいなものも出てくるような気がしますが...小説というよりゲームに分類されてしまうんだろうか。

2013/01/03(Thu) 20:29:48